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絵で読む紫煙・毒煙「大東亜幻影」-日本の戦争と煙草・阿片・毒煙 久保井規夫 978-4-8068-0572-4 C0030 A5 104頁 2500円 本書では、戦前・戦時には、嗜好品として広く定着していた煙草文化を通して、帝国日本が東アジアに展開した戦争を眺める事とした。帝国日本の戦争が、煙草の紫煙に映ろうのは、煙草は、国家収益のために専売制とされ、製造・販売に国家権力が関わってきたからである。戦時には、兵士のために軍用煙草や慰問煙草が登場した。銃後では、節煙・購買制限が行われた。さらに、戦場の皇軍(日本軍)には、大元帥であった天皇から、しばしば慰労・恩賞として「御賜の煙草」が下賜されたものである。広く庶民にまで煙草の嗜好が広がっていたため、煙草には戦争賛美・協力の標語が入れられた。戦場の兵士に送られた慰問袋には煙草も入れられた。火付けの燐寸も同様に戦時色が表れる。国家総動員体制のためである。日本の企業は、中国へ燐寸を輸出し、大きな利益を得ていた。本書では、煙草とともに、燐寸もとりあげる事とした。植民地とした台湾・朝鮮では総督府が専売制を布いた。中国には、欧米の煙草も輸入されていたが、満州事変以来、煙草にも日本の影響が及び、「満洲帝国」や中国占領地につくられた傀儡政権で販売された煙草には、「大東亜共栄」「八紘一宇」「戦争賛美」の日本の政策・侵略が色濃く反映した。(はじめにより) |